ハマモト経営HOME

「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

8.時代を読む先見と行動編

天変地異が人々に与える影響と心理的作用(4)改革のきっかけに

西漢(かん)王朝の孝成(こうせい)皇帝の
とき、天変地異が多いことに対して、当時、
朝廷で専横に振舞っていた王氏が原因では
ないかという意見が出されたとき、
成帝は信愛している張禹(ちょうう)に
意見を求めた。

張禹は、

「天変地異の原因はなかなか測り難い。

 そのような意見を信用してはなりません」

と答えている。

張禹は子孫が王氏に怨まれることを
恐れてこういったのだが、人災説一辺倒
ではなかったことも伺い知れる。

天変地異が発生すると人々の暮らしは
苦しくなる。

そこで、原因を突き止めて対策を
練らなければならないと誰しも考えるが、
現代でもよく分からないのに、
大昔の人々にそれができるわけがない。

それでも何らかの手を打つ必要性を
感じる人々は、

「天子や宰相の政治が悪い」

と考えざるをえない。

あちこちで暴動が起き、
盗賊が後を絶たなくなると、
朝廷としても目に見える形で対策を
講じていることを示さねばならず、
宰相を罷免するなどの行為に出るのだろう。

天変地異は、
既存の何かを変えるきっかけとなる

ことが多いようだ。

リーダーの側は人民の後追いを
するのでなく、先手を打って人心を
落ち着かせることが肝要である。

→続く「天変地異が人々に与える影響と心理的作用(5)キョウ遂の成功」
「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

 

 

 

inserted by FC2 system