ハマモト経営HOME

「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

7.権力者が陥る罠と組織の崩壊編

死にゆく者が考えること(6) 光武帝の成功要因     


東漢を起こした光武(こうぶ)皇帝が
死に際して述べたことは、

「葬儀は質素にせよ」

「誰も任地を離れるな」

といった程度で、特に内政、外交など
政治面での遺言はなかったようであるが、
光武帝の後、第四代の孝和(こうわ)皇帝
までの約七十年間はよく治まったという。

光武帝の場合は死に臨んでどうこうと
いうよりも、日常から常に体制を整えて、
ある程度、誰が皇帝になっても
うまく運営できる仕組みを意図的に
作ったのではないかと思われる。

税を軽くして庶民の負担を軽くする一方で、
法治主義を徹底して収賄事件などでは
容赦なく罰した。

ある丞相の収賄事件では多くの執行猶予の
嘆願を無視して獄死させた。

諸外国への対応では武力行使を極力控え、
西域との交渉は絶った。

死に際して考えるといっても、
人間はいつ死ぬか分からない存在だ。

平均寿命という統計はあるが、
この数字は個々の人間とはまったく
関わりがないと考えてよい。

いつ死が訪れてもよいように
準備をしておくこと


が大事である。

人間は常に「死にゆく者」なのだ。

縁起でもないことをいうようだが、
社長も同じである。

いつ死んでも会社がきちんと回るような体制
を作っておかねばならない。

仕事に向かう姿勢としては、毎日、
遺言を述べるようなつもりで
仕事に臨むことである。

→続く「要職に誰をつけるか(1)周亜夫の評価」
「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

 

 

 

inserted by FC2 system