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 「孫子」学習法の研究: どうすれば「孫子」を使えるようになるのか?
「孫 子 の 兵 法」と 戦 っ た 日 々
~ある経営コンサルタントの実践記録~
「孫子」に10年かけるか、40日でマスターするか。決めるのはあなた自身。

 第八回「孫子」活用の3ステップ


ここまで、私が「孫子」を学習し、
活用できるようになるまでの道のりを綴ってきました。

大きく分けると、次の3ステップがありました。

1.「孫子」のたて糸を知る
2.「孫子」のよこ糸を知る
3.「孫子」から自由になる

このうち、

1.「孫子」のたて糸を知る

には、4~5年はかかったと思います。

・全13篇の内容、体系を知る

・同時代の思想(易経、老子、孔子など)の基本を知る

・古代中国の歴史を『史記』『十八史略』などから学ぶ

といったことを行いました。


2.「孫子」のよこ糸を知る

には、2~3年かかりました。

・「孫子」を現実の問題解決に使う

ことについて、経営コンサルティングの場で
試行錯誤した末にようやく理解したのです。


3.「孫子」から自由になる

は、時間というよりも、2のよこ糸を実践している中からの
気づきが大きかったです。

あるときにふと、

・ブレークスルー

が訪れたのです。

1~3を合計すると、

・約10年かかった

わけです。

「孫子の兵法」に真正面から取り組むとしたら、
普通の人はやはりこれくらいはかかるのではないかと思います。
天才は別として。

これによって、私はコンサルティングスタイルが一変しました。

「この会社の問題はこうである。
  → (西洋ノウハウの観点から見て)その原因はこういうことが考えられる。
  → ということは、(西洋ノウハウを用いた)対策はこうすべきだ」

だったのが、

「この会社の問題はこうである。
  → 孫子的思考では、この会社はこうである。
  → ということは、孫子的対策はこうすべきだ。
   → 必要に応じて西洋ノウハウも用いる」

という流れに変わったのです。

具体的な事例については、拙著、

『孫子の兵法 社長が経営に活かす70の実務と戦略』

や、

「孫子の兵法」の教えシリーズ(シミルボンのコラム)

をお読み頂きたいと思います。

※ただし、これらでも「たて糸」「よこ糸」のさわり程度まで
 しか踏み込んでいません。あしからず。

この、私がつかんだ「孫子の兵法」をどう伝えるべきか。
これまでに私は、

1.「孫子」のたて糸を知る

2.「孫子」のよこ糸を知る

について、インターネット上のセミナーで詳しくお伝えしてきました。

しかし、最後の

3.「孫子」から自由になる

の部分はあえて伝えることはしませんでした。

なぜなら、この3こそが「孫子」学習の醍醐味だからです。

醍醐味なのに、なぜ伝えてこなかったのか?

たて糸とよこ糸という材料があれば、
この部分は本気で実践していれば気づくと思うのです。

自分で気づいてこそ、
学習者独自の「孫子」となり、
自家薬籠(じかやくろう)中のものとして、
自由自在に使えるノウハウとなります。

だから、伝えてきませんでした。

しかし、私は今回、この考え方を改めることにしたのです。

目次 第九回へ続く

 

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