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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

8.時代を読む先見と行動編

先が見えない時代のリーダーの資質…(1)未来を切り拓く

暗闇を走っているときは、
誰しも恐怖を感じるだろう。

そして、前に進むよりも後ろに下がりたく
なるのが人情というものである。

しかし、「十八史略」に見る限り、
先が見えないなかで起ち、後になって名君と
言われた天子のなかに、後ろに戻った者や
その場に立ち止まった者はひとりもいない。

三名の名君、唐(とう)の太宗、
李世民(りせいみん)、北宗(そう)の
太祖、趙匡胤(ちょうきょういん)、
元(げん)の太祖、成吉思汗
(じんぎすかん)の事例から、
先が見えない時代のリーダーの資質について
考えてみよう。

第一の資質は、

みずから未来を切り拓くという
強烈な意志をもっている

という点である。

隋(ずい)王朝の末期、李淵(りえん)は、
煬帝(ようだい)の命により、
弘化(こうか)郡の留守(りゅうしゅ)
(天子の巡幸中、その地に留まって守る役)
となっていた。

李淵は人々に対して寛大でおおまかだった
ので、多くの者が付き従った。

煬帝は、李淵が奇異な人相をしており、
占いで「淵」という者が隋を亡ぼすという
結果が出たため、李淵を忌み嫌った。

そのため、李淵は恐れ、わざと酒ばかり
飲み、かつ煬帝のお側の者に賄賂を
贈ってうまく取り繕ってもらい、
自分の才能を隠していた。

折から各地に盗賊が相次いで起こった。

そこで煬帝は、李淵を山西(さんせい)、
河東(かとう)両郡の撫慰(ぶい)大使に
任命して、賊の鎮圧にあたらせた。

李淵はいちいち勅命を奉じて疑われない
ように気をつけつつ、官吏を免職したり
昇進させたり、群盗を討ったり捕らえたり
してしばしば勝利をおさめた。

また、突厥(とつけつ)(トルコ系遊牧民)
が北方の国境に攻め入ったので、
煬帝は李淵に命じてこれを迎撃させた。

→続く「先が見えない時代のリーダーの資質…(2)李世民の突破力」
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