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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

6.リーダーの条件と承継編

承継でもめないようにするには…(2)簡子の承継基準    


春秋時代、趙(ちょう)主の簡子(かんし)
に二人の息子がいた。

あるとき、簡子は訓戒の言葉を二枚の
竹の札に書き、二人に渡して言った。

「よくこれを頭に刻み込みなさい」

三年がたち、
簡子はこのことについて尋ねてみた。

すると、兄のほうは忘れてその言葉を
答えられない。

竹の札そのものもなくしてしまっていた。

弟のほうはその言葉を暗誦しており、
竹の札もすぐに懐(かい)中から
出して見せた。

そこで簡子は、弟を立てて後継者とした。

ひとつの基準を設け、
優劣をつけたうえで承継する者を決めれば、
確かにもめごとは起こりにくいかも
しれない。

しかし、もしも兄がこれを逆恨みすれば
争いは起きる。

簡子の長男は弟を温かく見守ったらしいが、
それが親の教育の結果か、
たまたま生まれつき心優しい性格だったのか
は定かではない。

また、兄弟間で争いが起こるのは、
兄弟だけの問題ではない。

それぞれにはお付きの者がいる。

彼らは自分たちの主人が天子になれば、
自分たちも出世し、権力を得て、
よい暮らしが出来るのである。

→続く「承継でもめないようにするには…(3)李淵に問題あり」
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