1998年のクリスマスの頃、私は心に余裕を感じていました。
前年の1月に経営コンサルタントとして独立して以来、 なかなか収益が上がらず、苦しんでいた私でしたが、
12月にはようやく3社目の顧問先を獲得。
それまで赤字だった家計もプラスに転じたからです。
「これで飯が食える・・・」
あとは、どうやってさらに顧問先を増やすか、
現在の顧問先に満足してもらうにはどうすべきか。
そう考える中で、
「自分のコンサルティングのバックボーンとなるような 確固たるノウハウが欲しい」
という思いが募っていました。
「何か良いノウハウが無いものか?」
と、まだブロードバンドになる前の電話回線でつながった インターネットの画面を見ていて、ふと目に付いたのが、
「孫子の兵法」
でした。
そもそも私は、 日本の経営コンサルタントが学ぶノウハウが、
P.F.ドラッカーを中心とする西洋のモノであることに 飽き足りない感じをもっていました。
「東洋にもしっかりとした思想があるはず」
そう考えて探していたので、
すでに企業経営への応用、実践が各所で語られていた 「孫子の兵法」にネット上で出会うのは
当然と言えば当然だったのです。
ただ、そのとき本格的に学ぼうと思ったのは、 ネット上の「孫子塾」のS先生に
・ホンモノのにおい
を感じたからでもありました。
「よし、真剣にやってみよう」
そう決意するまでには1ヵ月ほどの時間がかかりましたが、 1999年1月、通信講座に申し込みました。
このとき「孫子の兵法」との格闘が始まったのですが、 まさかこんなに長期間の戦いになろうとは、
当時は夢にも思いませんでした。
せいぜい1~2年程度のつもりだったのです。
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