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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

6.リーダーの条件と承継編

 権力者とリーダーの違い(5)張良の反発     


こうした王道の政治は理想に近いものだが、
周王室が衰えてからは諸国が覇権を
争うようになり、
それにつれて覇道色が強くなっていった。

覇道の場合、人民や諸侯を力で押さえつける
わけだが、具体的には法や警察力、軍事力を
用いて統治するのである。

これが行き過ぎると、人民は立ち上がり、
力で対抗するようになる。

秦(しん)の始皇帝が東方を巡幸している
途中、博浪沙(はくろうさ)の地に
さしかかったとき、鉄槌(てっつい)
(大形のかなづち)がどこからともなく
飛んできた。

これは韓(かん)の人で、後に漢(かん)の
高祖劉邦(りゅうほう)の参謀となって
活躍した張良(ちょうりょう)が
仕組んだことであった。

張良は五代にわたって韓の宰相をつとめた
家柄であり、韓が秦に滅ぼされてから
報復する機会を狙っていたのだ。

張良が力士に命じて投げさせた鉄槌は、
狙いがはずれて随伴車に当たった。

始皇帝は驚いて、付近を捜させたが
犯人は見つからなかった。

そこで命令を下して天下中を探させた。

このように力で押さえつけられた側は
力で反発するものである。


やはり、徳で人民を統率する方が
よさそうに思えるが、これも簡単ではない。

→続く「権力者とリーダーの違い(6)宣帝の危惧」
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