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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

6.リーダーの条件と承継編

 権力者とリーダーの違い(4)周の文王の善政      


周の文王は、西伯(せいは)
(西方の統括を行う諸侯の長)となって
善政を施したので、諸侯がなつき従った。

あるとき、虞(ぐ)とゼイの両国が田地の
境界を争って、いっこうに解決しなかった。

そこで両国の君主は西伯の裁決を仰ぐべく、
周の国に行った。

ところが、一歩周の国境に入り、
耕作している者を見ると、
農民は畔(あぜ)を譲り合っており、
人民はなにかと年長者を大事にして
譲っていた。

二人はこれを見てすっかり恥じ入り、
互いに話し合っていうには、

「われわれの争っている事がらは、
 この国では恥じて行わないことであった」

と。

そこで西伯には面会しないですぐに
引き返し、互いに田地を譲り合って
取ろうとしなかった。

漢(かん)水という川の南の地方でも、
西伯になつき従うものが四十ヵ国にのぼり、
皆、

「この人こそ、
 天命を受けて天下を治めるお方である」

とみなすようになった。

こうして西伯は天下を三分して、
その二を領有したのである。

→続く「権力者とリーダーの違い(5)張良の反発」
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