ハマモト経営HOME

「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

4.戦争と殺戮編

敵を生かした場合、      殺した場合に起きること…(1)句践の復讐      


敵を生かすか、殺すか。

この選択は難しい。

最善なのは、生かしたまま味方にして、
戦力とすることである。

「孫子の兵法」作戦篇にも、

「卒は共(うやうや)しくして之を養わしむ」

(降参した敵兵は礼儀にかなった丁重な
 取り扱いをし、手厚く処遇して味方に
 加える)

とある。

ここで大事なのは、

敵の怨みを忘れさせることが出来るか否か

という点である。

「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」

の故事を生んだ春秋時代末期の
呉越(ごえつ)戦争では、敵を殺さなかった
ことが国の滅亡の原因となった。

呉王の闔廬(こうりょ)は
越との戦争で受けた傷によって死んだ。

息子の夫差(ふさ)は薪(たきぎ)のなかに
寝起きして、日々、体に痛みを与えて
復讐心を忘れず、数年後に越を破った。

そのとき、夫差は越王の句践(こうせん)を
殺さなかった。

句践は口では臣従を約束しつつ、
毎日、獣の胆(きも)を嘗めて怨みを
忘れないようにし、
じっくりと国力を高めて、
約二十年後に呉を破り、
夫差を死に至らしめたのである。

→続く「敵を生かした場合、殺した場合に起きること…(2)桓公と管仲」
「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

 

 

 

inserted by FC2 system