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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

8.時代を読む先見と行動編

大波乱の時代は過去に何度も起きている(5)王安石の政治改革  


王安石は建議して新しく役所を設け、
新法の立案、実行にあたった。

彼はこう考えた。

「昔、周(しゅう)の時代には、
 泉府(せんぷ)の官を設けて、天下の
 財物を巧みに流通させたものだった。

 私たちはまさにこの泉府の法を見習い、
 国家が利権を握って商品の流通を
 管理しなければならない」

そして王安石は、青苗(せいびょう)法を
始めとしたさまざまな政治改革に着手した。

青苗法は、低利で人民に金品を貸し出す
周代の制度と同じ趣旨のもので、
貧農救済が目的であった。

市易(しえき)法というのは、
中小商工業者を保護するため、これも
朝廷が低利で資金を提供するものであった。

王安石の政策は、高利で金を貸す地主、
大商人などの利益を押さえ、
自作農や中小商人を保護するものであり、
これは朝廷内に多い士大夫層の利害と
対立するものだった。

そこで、王安石を中心とする新法派と、
司馬光(しばこう)を中心とする旧法派と
の間で激しい対立が起るのである。

このとき、議論を戦わせるというだけなら
まだよいのだが、改革に反対する旧法派の
人々は次々と地方へ左遷させられたり、
官職を罷免させられたりした。

ところが、王安石が政治改革に取り組み始め
てから五年後、何ヵ月にも渡って雨が
降らず、多くの人民が餓死寸前の状態に陥る
事態となったとき、王安石の改革が
原因であると主張する者が相次ぎ、
これらの声には神宗も動揺して、
改革の中止を考えるようになった。

→続く「大波乱の時代は過去に何度も起きている(6)北宋の滅亡」
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