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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

8.時代を読む先見と行動編

大波乱の時代は過去に何度も起きている(2)真宗の前線進出  


出発した後、真宗はしばらく
韋城(いじょう)県に滞在したが、
ついで衛南(えいなん)に軍を進めた。

契丹は大兵をたずさえてセン州に到着し、
三方面から取り巻いて攻め立てた。

北宋の大将らが城を出てこれを防いだ。

そのうちに契丹の大将が弩(いしゆみ)に
当たって戦死したため、契丹軍は戦意を
喪失して退却し、動こうとしなくなった。

寇準は、黄河(こうが)を渡って前線に
進出するよう真宗に迫った。

近衛軍司令官の高瓊(こうけい)も
これに賛成した。

真宗が迷っている間、たまりかねた高瓊は、
護衛の兵士を指揮して真宗の車を
進めさせながらいった。

「陛下がもしも黄河をお渡りにならなけれ
 ば、河北(かほく)の人民どもは失望し
 て、父母を失ったように悲しむことで
 ありましょう」

すると、側にいた一人の文官が
無礼をとがめた。

これに対して高瓊は、

「君たちは、このようなせっぱ詰まった時で
 も、まだ礼の有無をいうのか。

 それならば得意の詩でも作って、
 契丹兵を退却させたらどうなのだ」

こうして高瓊らはとうとう真宗を護衛して
黄河を渡った。

やがてセン州に入城し、北城(ほくじょう)
に登って、天子の旗印である黄色の
旗や幟(のぼり)を立てた。

それを見て、北宋の諸軍は皆、
「万歳」と叫び、
その声は数十里先まで達した。

契丹兵は気を奪われた。

→続く「大波乱の時代は過去に何度も起きている(3)セン園の盟」
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