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「十八史略」に学ぶ兵法経営【目次】

6.リーダーの条件と承継編

 承継でもめる理由と結末(2)楊堅の承継失敗     


隋王朝を開いた高祖(こうそ)文皇帝、
楊堅(ようけん)も、同じような失敗を
している。

最初は勇(ゆう)という長男を太子として
いたが、勇が贅沢だったことや、
好色で妾腹の子女が多く、正妻が悩んで
死んでしまったことなどから、
文帝の妻が勇を憎んで次男の広(こう)を
太子とするように帝に勧めたので、
新たに広を太子に立ててしまった。

その後、広の淫乱な性向やずる賢さに
気づいた楊堅は、広を廃して、
また勇を立てようとするが、結局、父と兄の
二人は広に殺されてしまうのである。

広は即位して煬帝(ようだい)となり悪政を
施したため、隋王朝は短命に終わった。

ある者を太子と決めた後でも、
欠点が目に付いて他の者に替えたいと
思うことはあるだろう。

しかし、これを周囲に漏らすと
必ず揉め事が生じる。

太子は「廃されはしないか」と心配し、
他の候補者は「天子になれるかもしれぬ」と
希望を抱くのであるから当然である。

一度、太子と決めた以上は、
何があっても変更せず、その太子を支えて
いくという姿勢を現天子が見せることが
必要ではないだろうか。

廃する場合には、
周囲の誰もが納得する理由が必要である。

→続く「承継でもめる理由と結末(3)宗が亡びた経緯」
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