ハマモト経営の指針集 『論語』より

主要参考図書『論語新釈』宇野哲人著 講談社学術文庫

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「政を為すに徳を以てすれば、譬えば北辰其の所に居て而して衆星の之に共うが如し。」

読み方「まつりごとを なすに とくを もって すれば、たとえば ほくしん そのところに いて しこうして しゅうせいの これに むかうが ごとし」

(意味)国王が自ら徳を修めたうえで政治を行えば、たとえば北極星が動かなくても多くの星がこれを中心に回るように、自然と天下が従うのである。

→ 強制しなくても、自然と部下が従ってくる状態が理想。

そのためには、「従いたくなるような人」に自分がなればよい。

それは、徳を修めた人、他人や社会のために己を投げ捨てることができる人である。






「詩三百、一言以て以を蔽う、曰く、思い邪なし。」

読み方「し さんびゃく、いちげん もって これを おおう、いわく、おもい よこしまなし」

(意味)詩経の詩は三百篇もあるが、これを一言でまとめることができる。それは、その心に邪悪さが無いということだ。

→ 邪悪さが無いということは、いつも清く澄んでいるということだ。

自分の心がそうであるかないかは、自分が一番良く知っている。

正しい心で判断することを繰り返していけば、おのずと徳が身に付くのである。






「之を道くに政を以てし、之を斉しうするに刑を以てすれば、民免れて恥なし。」

読み方「これを みちびくに せいを もってし、これを ひとしう するに けいをもって すれば、たみ まぬかれて はじなし」

(意味)国民を導くのに法律をもってし、命令に従わせるのに刑罰をもってすれば、国民は法の網をくぐって恥じない。

→ 「ルールをやぶっていないからいいじゃないか」という人間が社内に存在していないか。

ルールや規則を決めるのは、必要なことだ。

しかし、事細かに決めなければならないような会社は、人間のレベルが低いのだ。






「之を道くに徳を以てし、之を斉しうするに礼を以てすれば、恥ありかつ格る。」

読み方「これを みちびくに とくを もってし、これを ひとしう するに れいを もって すれば、はじ あり かつ いたる」

(意味)国民を導くのに道徳をもってし、命令に従わせるのにマナーをもってすれば、自分の至らなさを恥じ、かつ善に至る。

→ レベルの高い集団では、規則はゆるやかでよい。

何が正しいかを理解しており、積極的に正しい行動をしようとするからだ。

そのような集団は、リーダーの徳の実践から生じ、成長していく。






「吾十有五にして学に志す。」

読み方「われ じゅうゆうごにして がくに こころざす」

(意味)私は十五歳のときに徳を磨く道を志した。

→ 孔子は、15歳で志(人生の目的・目標)を立てた。

おそらく孔子も志が無ければ、平凡な人物に終わっただろう。

優れた人でもそうなのに、凡人に志が無ければ大成しないのは当たり前である。






「三十にして立つ。」

読み方「さんじゅうにして たつ」

(意味)三十歳のときに自分の内の私欲、外からの誘惑に負けない、道を貫く立場を固めた。

→ 志を固めても、それを揺るがすようなことが次々と自分を誘惑する。

禁煙を決意したのに「一本だけなら…」という欲がむらむらと起こってくるように。

「絶対にこの道を貫く」という経営の方向性が固まっているか。






「四十にして惑わず。」

読み方「しじゅうにして まどわず」

(意味)四十歳のときに、これまでの経験を踏まえ、何があっても道を疑うことが無くなった。

→ 方向性を頭で決めたあと、今度は起こった事象に照らして考えてみる。

空想的に考えたものだけでは弱いが、経験を踏まえると確固たる信念に変わる。

思想は経験によって、より一層磨かれることとなるのだ。






「五十にして天命を知る。」

読み方「ごじゅうにして てんめいを しる」

(意味)五十歳のときに、天が作った世の中の原理を知ることができた。

→ 「知る」とは、知識として知るレベルではなく、行動できることを含んでいる。

世の中の原理を知り、その原理に従って行動できれば、企業も個人も発展する。

知識として知ることは重要だが、本当に知るには実践が欠かせない。






「六十にして耳順う。」

読み方「ろくじゅうにして みみ したがう」

(意味)六十歳のときには、人の言うことの本質がわかり、ふりまわされなくなった。

→ 言葉は、思想的背景から生み出されたものである。

その背景がわかれば、本質的に何を言おうとしているかがわかる。

自分の土俵に置き換えて理解できるので、振り回されることも無い。






「七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず。」

読み方「しちじゅうにして こころの ほっする ところに したがえども のりを こえず」

(意味)六十歳のときには、心のままに動いても、守るべき範囲を逸脱することが無くなった。

→ 理想の姿は、心と行動が一致して、しかもそれが正しいことである。

一生かかってもできない人がほとんどだろう。

だからといって、あきらめたら進歩は止まる。少しでも近づこう。



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