主要参考図書『論語新釈』宇野哲人著 講談社学術文庫
八イツ第三
論語ホーム
読み方「ひとに して じん ならざれば、れいを いかに せんや。ひとに してじん ならざれば、がくを いかに せんや。」 (意味)人に思いやりの心が無かったら、いかに言葉や作法が巧みでも役に立たない。いかに音声が美しくても役に立たない。」 読み方「れいは その おごらん よりは むしろ けんせよ。」 (意味)礼は奢侈(しゃし)になるよりは、むしろ倹素(倹約で質素)であるのがよい。」 読み方「そうは その おさめん よりは むしろ せきせよ。」 (意味)人の死んだときの礼としては儀式をりっぱにするよりも、むしろ哀しみが過ぎるくらいの方がよい。」 読み方「くんしは あらそう ところ なし。かならずや しゃか。ゆうじょうしてしかして のぼり くだり、しかして のましむ。その あらそいや くんし。」 (意味)徳の高い人は人と争うことをしない。しいてあげれば弓を射るときの競争か。互いに譲り合って射の場所に升り下りし、負けた者には酒を飲ませる。これが徳の高い人の争いである。」 読み方「まつるには いますが ごとくし、かみを まつるには かみ いますが ごとくす。」 (意味)孔子が先祖を祭る際には先祖がそこにいるかのように心をつくし、その他の神を祭る際には神がそこにいるかのように心をつくす。」 読み方「しこう こくさくの きようを さらんと ほっす。し いわく、しや、なんじはその ひつじを おしむ。われは その れいを おしむ。」 (意味)子貢は先祖の廟に朔日(ついたち)を告げる礼が行われなくなったのに羊を一匹ずつ供えるのは無駄だと思ってやめようとした。孔子が言うには「賜(子貢の名)よ、おまえは羊を惜しんでいるね。私は羊を供えなくなることによって礼が滅びることを惜しむよ。」 読み方「きみ、しんを つかうに れいを もってし、しん、きみに つかうるにちゅうを もって す。」 (意味)主君は臣を使うのに礼の徳をもって丁寧にし、臣は主君に仕えるのにまごころをもってするものである。」 読み方「かみに いて かん ならず、れいを なして けいせず、もに のぞんで かなしまずんば、われ なにを もって これを みんや。」 (意味)人の上に立って寛大でなく、礼儀作法を行うのに敬意がなく、父母の喪にいて哀しまないならば、私は何をもって善し悪しを観ようか。まったく観るに耐えない。」 |