●「儒教」を学ぶ
儒教、ご存知ですか?
武士道を語る際に、どうしても避けて通れない、孔子の創った学問です。
教えそのものは立派なものですが、為政者の側からすると、体制を維持するのに大変都合の良い学問でもあります。
身分制度を支える基盤思想として儒教的礼節を国の基礎としたので、 徳川時代は260年余りも続きました。
ただ、そのお陰で戦国時代のように戦争で多くの人が命を落とすことが 無くなったのも確かです。さすが徳川家康ですね。
儒教の経典から、中国の朱子が特に重要なものとして挙げたのが、
『大学』『中庸』『論語』『孟子』
で、四書と呼ばれています。
このコーナーでは、四書のうち『孟子』を除く3つについて、簡単な解説を試みています。
『大学』 |
紀元前430年頃成立。 もともとは儒教の経典『礼記』のうちの一篇。 儒教の政治思想を体系的にまとめたもの。
大学とは大人の学、転じて君主・宰相として天下を導くものの修める学問の意。
山鹿素行は、「『大学』は聖人の教育法のすべて、人の人たるゆえん、天下・国家に施行すべきことを説いてあますところがない」と言います。
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『中庸』 |
『大学』と同じく『礼記』のうちの一篇。
これは儒教の倫理思想をまとめたものです。
よく「中庸が大切だ」と言われますが、本来「中庸」とは、 今風に言えば、TPO(時と場所と場合)に最適なことを意味します。
決して、足して2で割るという平均の意味ではありませんのでご注意を。
内容は、かなり抽象的・哲学的です。
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『論語』 |
孔子が直接語っているのが、この『論語』です。
孔子が弟子達と交わした対話をまとめているもので、 『中庸』に比べてかなり具体的です。
実際の会話なので、孔子は相手のレベルによって発言内容を 変えており、少し戸惑う部分もあるかもしれません。
山鹿素行は、「のちの学者はただ『論語』だけを聖人の教えを学ぶ目標とすればまちがいはない」と言います。
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学習を進めるあたっては、中国哲学者、宇野哲人先生(1875〜1974年)の以下の書を、主に参考にさせていただきました。
『大学』(宇野哲人全訳注 講談社学術文庫)
『中庸』(宇野哲人全訳注 講談社学術文庫)
『論語新釈』(宇野哲人著 講談社学術文庫)
兵法経営協会(1997年創業 ハマモト経営 代表 濱本克哉)
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