「孫子の兵法」を使うとはどういうことか?
私はその頃、こう考えていました。
「この会社の問題はこうである。 → 一方、孫子はこう言っている。
→ ということは、対策はこうすべきだ」
この思考の流れがスムーズであることこそ、
「孫子」を使いこなせている状態だと 思い込んでいたのです。
ところが、西洋流の考え方が習慣化していた私は、
「この会社の問題はこうである。
→ その原因はこういうことが考えられる。 → ということは、対策はこうすべきだ」
というふうに考えてしまい、 そこに「孫子」の思考を入れる余地を見つけられずにいました。
むしろ、
・わざわざ「孫子」をはさむ
とクライアントを説得できず、提案を通せないのではないか?
と恐れ、「孫子」の「そ」の字も言えないことも多々あったのです。
この頃(「孫子」を学び始めて4~5年が経過した頃)、 私はすでに、「孫子」に関する基本学習を終えており、
全体を理解していましたが、 どう使えばよいのか分からなかったのです。
当然、「孫子」について語ることはできました。
経営コンサルタントとしての講演やセミナーで
「孫子」の話を混ぜると、
「まさか孫子の話を聞けるとは思いませんでした。 すごいですね」
などと言われます。
しかし、話は出来ても使えませんでした。 そんな状態で困り果てていたのですが・・・
それから2~3年が過ぎたある時期に、
・「孫子」の判断基準の根本
に気づいたのです。それを私は、
・「孫子」のよこ糸
と呼んでいます。
たて糸は、
・「孫子」の体系
と言ってよいです。
・こういう状況ではこう対処せよ
と「孫子」に書かれている内容そのものです。
よこ糸は、
・リーダーたる者の基本姿勢
です。
このよこ糸に気づいたことが、
・「孫子」活用の突破口
となりました。
そして、このたて糸とよこ糸を 自分の頭の中で編んでみた結果、
・「孫子」全篇を貫いている、あるモノ
をようやく理解できたのです。
これが分かれば、もはや、
・いちいち「孫子」を意識する必要がなくなる
という「孫子」の本質です。
これをつかめれば、
・思考回路が「孫子」になる
と言ってよいでしょう。
このとき、「孫子」を学び始めて、
すでに10年が過ぎようとしていました。
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