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 「孫子」学習法の研究: どうすれば「孫子」を使えるようになるのか?
「孫 子 の 兵 法」と 戦 っ た 日 々
~ある経営コンサルタントの実践記録~
「孫子」に10年かけるか、40日でマスターするか。決めるのはあなた自身。

 第三回「孫子」の体系を知る


おそらくですが、世の多くの「孫子」解説者は、

・「孫子」の素読(そどく)

などやってないでしょう。

素読とは、意味を考えず、ひたすら読む学習法で、
頭ではなく体に覚えさせる効果があるものです。

古来、日本の上層階級は、
この学習法で中国古典を自分の血肉に変えてきました。

現代人でもなじみが深いものに、
お坊さんが読むお経があります。

漢文を音読みしている場合が多く、
聞いてもさっぱりわかりません。

しかし、音読みだとリズムが心地よくて、
いつの間にか体に入り易いのです。

最もポピュラーなのは般若心経。

「マーカーハンニャーハーラーミーター」

と、暗唱できる人がとても多いですね。

「孫子の兵法」も音読みすると体に染み込みやすいのです。

「どんな漢字が使ってあったか」
「ある部分が全体のうちのどこに書いてあったか」

などを自分の記憶から探すには、音読みが適しています。

これに対して、漢字かなまじりの書き下し文は、そもそもが、

・和訳

です。

江戸時代以前の日本人が使っていた言葉に
漢文を訳したものなのです。

だから、書き下し文を素読すると、
リズムは音読みに劣りますが意味は分かり易くなります。

例えば、

「兵者国之大事也」

音読み:ヘイシャコクシダイジヤ
        ↓
書き下し文:へいとはくにのだいじなり

となるわけです。

私は長らく「孫子」をこの両方の読み方で素読していました。
おかげで、始めて半年ほどで、

・全体像

をつかめるようになりました。

逆にいうと、素読をしていなかったら、
全体像もつかめなかったわけです。

※今は音読みはやめています。
 両方やっているとそれだけでやたらと時間がかかるので。

全体像がつかめると、

・「孫子」の体系

が分かってきます。

ただ、ここらあたりまでは、

・苦しいばかり

です。

意味の分からないものを読むのはなかなかつらいもの。

「こんなことをして何になるのか」

とも思えてきます。

しかし、少し分かり始めると楽しくなるのは、
どんな習い事も同じです。

それぞれの篇(へん)のつながりや、
一見、矛盾してみえる文言がそうでないことなど、
「孫子」理解に欠かせない点が見えてくると、
自分の進歩が感じられてうれしいものです。

「孫子の兵法」は体系の理解が欠かせません。

ちなみに、体系がわかっていない「孫子」解説本の著者はとても多いです。

ぜひ気を付けて下さい。

目次 第四回へ続く

 

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