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 「孫子」学習法の研究: どうすれば「孫子」を使えるようになるのか?
「孫 子 の 兵 法」と 戦 っ た 日 々
~ある経営コンサルタントの実践記録~
「孫子」に10年かけるか、40日でマスターするか。決めるのはあなた自身。

 第二回「孫子」との直接対話


1999年1月、私の「孫子の兵法」との格闘が始まりました。

S先生の「孫子塾」の基本方針は、

・「孫子」と直接対話をさせる

というものでした。

世の中に「孫子」の解説書は多いです。
しかし、そのほとんどは、

「孫子はこういう内容だ」

と、解説者の意見を書いているのであって、
「孫子」そのものではありません。

「孫子塾」のS先生は、

「孫子と直接向き合わなければ、孫子は分からない」

とおっしゃり、極力、先生自身の独自解釈を解説すること
は控えられました。

基本は、

・漢和辞典をひいて、自分で意味を調べる

というやり方だったのです。

ただし、疑問が生じたら先生に質問できますし、
先生も詳しく答えてくださいます。

こういう学習スタイルで、私は約3年にわたり、
「孫子の兵法」の基本を学んだのでした。


とてもではないですが、先生がいなければ、
こんな学習スタイルを続けることはできなかったでしょう。

しかし、これをやったことで、

・世の中に流布している「孫子」本の誤り

が分かるようになりました。

「孫子」本の解説者には大きく分けて、

・学者
・それ以外の人たち(コンサルタント、経営者など)

がいます。

まず、学者は、

・漢文の専門家

なので、漢文の読み方、解釈の仕方については
学ぶところが多いです。私も参考になりました。

しかし、学者というのは実務家ではないので、

・現場感覚にうとい

と言わざるを得ません。

そもそもが、

「孫子の兵法を自分も使って成果を出そう」

などと考えているわけではないので、単に、

・古典の解説

に終わってしまっているのです。

だから、学者の解説は

・教養を高める

という点ではよいですが、

・実践して結果を出す

という点でははなはだ弱いと言えます。


一方、学者以外の人たち(コンサルタント、経営者など)が
書いた書籍は、そもそもが、

・誰かの解説書の受け売り

です。

・学者の○○先生の現代語訳から出発している

わけで、その訳を疑うなどという姿勢はまったくありません。

その言い訳として、

「私は孫子の専門家ではない」

とわざわざ前置きしている人もいます。

彼らは、

・学者の間違いも丸飲み

しているのです。

仮に「孫子」そのものが満点とすれば、
学者はどう頑張っても70~80点の理解度しかないでしょう。

彼ら(学者以外の人たち)はその70~80点から出発して、

「孫子はああだ、こうだ」

と言っているわけです。

その段階では、40~50点にまで落ちています。
こうなるともはや「孫子」ではなくなってしまいます。

私が「孫子」と直接対話できたのは幸運でした。

しかし、それは地獄の苦しみでもあったのですが。

目次 第三回へ続く

 

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