参考図書『大学』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫
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読み方「か もとって いる ものは、また もとって いづ」 (意味)悪徳商法などの道理にはずれたやり方で稼いだお金は、身につかずに流出する。 → お金を稼いだとき、お金をくれた相手は満足していたか。 お金の移動に喜びが伴ってこそ、道理に合っていると言える。 より多くの人の喜びを生み出すことができれば、それに伴ってお金がついてくる。 「賢を見て挙ぐること能わず、挙げて先んずること能わざるは命るなり」 読み方「けんを みて あぐる こと あたわず、あげて さきんずる こと あたわざるは おこたるなり」 (意味)優秀な人間を見て登用することができず、登用しても先に立てることができないのは怠慢である。
「不善を見て退くること能わず、退けて遠ざくること能わざるは過ちなり」 読み方「ふぜんを みて とおざくる こと あたわず、しりぞけて とおざくる こと あたわざるは あやまちなり」 (意味)有害な人間を見ても職を解くことができず、職を解いても関係を絶つことができないのは過ちである。 → 組織に害を及ぼす人物を野放しにしているのは過失である。 よく人物を見極め、時には突き放すことが、組織のためにもその人物のためにもなる。 それができるのはトップのみ。
「必ず忠信もってこれを得、驕泰もってこれを失う」 読み方「かならず ちゅうしん もって これを え、きょうたい もって これを うしなう」 (意味)国王が必ずまごころを尽くし偽らなければ天下を得、おごりたかぶり好き勝手にすれば天下を失う。 → トップが社員を思いやって運営すれば組織は安泰で、ワンマン経営に陥れば危くなる。 聞く耳をもっている間は大丈夫。 部下の声が疎ましくなってきたときが危険信号。
「仁者は財を以て身を発し、不仁者は身を以て財を発す」 読み方「じんしゃは ざいを もって みを はっし、ふじんしゃは みを もって ざいを はっす」 (意味)思いやりの深い国王は財があればそれを国民のために使うことに自身を奮い立たせ、思いやりが無い国王は自身を欲望のまま財をかき集めることに使う。 → トップが社員と会社のためにお金を使うか、自分のためのお金を集めるのか。 役員賞与、役員報酬はガラス張りにすること。 オープンにしないこと自体から不信感が生まれる。
「未だ上仁を好みて下義を好まざる者あらざるなり」 読み方「いまだ かみ じんを このみて しも ぎを このまざる もの あらざるなり」 (意味)未だに国王が思いやりいつくしむ政治を好んでいるのに、国民が正義の行いをしないということはない。 → トップが社員をいつくしめば、社員は正しい道を行く。 人間は愛に包まれて、悪に走ることは無い。 社員の正しい行動は、顧客満足に結びつくのだ。
「未だ義を好みてその事終らざる者あらざるなり」 読み方「いまだ ぎを このみて そのこと おわらざる もの あらざるなり」 (意味)未だに正義の行いを好んで為し、事を完成させられないということはない。 → 正しい目的のための行為であれば、必ず最後には成功する。 この売上はなんのための売上か?我々は何のための集団か?。 「動機善なりや。私心無かりしか」
「未だ府庫の財その財に非ざる者あらざるなり」 読み方「いまだ ふこの ざい そのざいに あらざる もの あらざるなり」 (意味)未だに正義の行いで事を完成したことによって得られた倉の財が役に立たないということはない。 → 正しい行いで得られたお金を始めとする資産は、永く組織を発展させる財となる。 正しい集め方、使い方をすれば、お金はきちんと循環する。 そして、少しずつ流れるお金の量が多くなっていく。
「小人をして国家を為めしむれば、さい害並び至る」 読み方「しょうじんを して こっかを おさめしむれば さいがい ならび いたる」 (意味)徳の無い人を登用して政治をさせたなら、(天の怒りと人の恨みを得るという)災害が同時にやってくる。 → 徳の無いリーダーを配置すると、部下は必ず苦しみ、トップも思い悩むことになる。 才能のみで人を判断し、昇進させることはやめよう。 才能にはお金で報い、人徳には地位で報いる。
「国、利を以て利と為さずして、義を以て利と為す」 読み方「くに、りを もって りと なさずして、ぎを もって りとなす」 (意味)国は、国王の私的な利益を利益とするのではなく、国民の正しさをこそ利益とするのである。 → お金を貪りあう社長や社員では争いは絶えない。正しい行いこそ本当の利益を生む。 自分の会社での正しい行いとは何か、トップは深い認識をもっているか。 心の平安は、思想の深さと正しい行いによって得られる。 |
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『大学』終わり。よく最後までお読みくださいました。できれば、繰り返しお読みください。
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