ハマモト経営の指針集 『大学』より

参考図書『大学』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫
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「物格って后知至る」

読み方「もの いたって のち ち いたる」

(意味)物事を究明することによって始めて本質を理解でき、知を極められる。

→ 現場が大切。

机上の空論ばかり振り回さず、現場へ行き、調べよう。

経営理念はそこから生まれる。

 

「知至って后意誠なり」

読み方「ち いたって のち い まことなり」

(意味)知を極めて善悪がわかるようになれば誠実で自分にウソをつかなくなる。

→ 判断基準をしっかりもとう。

中小企業はあるべき姿(基準)がハッキリしないことが多い。

まず物に格(せま)って、基準を作ろう。

「意誠にして后心正し」

読み方「い まことにして のち こころ ただし」

(意味)誠実で自分にウソをつかなくなれば、心正しくなり間違わなくなる。

→ 判断基準を自分に定着させよう。

判断基準が定着すれば、いざというときに対応できる。

日常の不断の訓練によって、正しい基準を身につけよう。

「心正しくして后身修まる」

読み方「こころ ただしくして のち み おさまる」

(意味)心正しくなり間違わなくなれば、自分(の言動)も正しくなる。

→ 率先垂範し行動で示そう。

具体的に行動で示すことが大事である。

あるべき姿を周囲に見せよう。できないのは判断が間違っているから。

「身修まって后家斉う」

読み方「み おさまって のち いえ ととのう」

(意味)自分(の言動)が正しくなれば、家の中が(家族も一つになり)ととのう。

→ 家庭も会社もまずは自分を修めることからスタート。

身近なことからコツコツと改革していこう。

周囲のせいにするのは、自分のレベルの低さを言いふらしているのと同じ。

「家斉いて后国治まる」

読み方「いえ ととのいて のち くに おさまる」

(意味)家の中を(家族を)ととのえることができてはじめて、一国の人をおさめることができる。

→ 家庭内をきちんとできてこそ、会社内を一致団結させられる。

家庭での姿が、会社内で現れる。

家庭では会社の不満を、会社では家庭の不満を言っている人は、人の上に立ててはいけない。

「国治まって后天下平らかなり」

読み方「くに おさまって のち てんか たいらかなり」

(意味)一国の人をおさめることができてはじめて、世の中全体が安らかになる。

→ 会社内を一致団結できてこそ、お客様の満足も実現できる。

顧客満足よりも社員満足が先。

社員が社長の同志となってこそ、社長の理念がお客様に届く。

「天子より以て庶人に至るまで、壱是に皆修身を以て本と為す」

読み方「てんしより もって しょにんに いたるまで、いっしに みな しゅうしんをもって もととなす」

(意味)天子から平民まで、皆まず自分(の言動)を正しくすることが本なのだ。

→ 環境(人間関係、経済状態等)は現在の条件に過ぎない。

環境を変化させるために、まず自分からコツコツと努力しよう。

主体性の無い者にどんな好条件を与えても無駄である。

「苟に日に新たに、日々に新たに、又日に新たなり」

読み方「まことに ひに あらたに、ひびに あたらに、また ひに あらたなり」

(意味)本当に日々、革新、革新、自己革新をし続けなければならない。

→ 変えることが出来るのは自分だけ。

自分を変えることで他人が変わる。

最初から他人を変えようとする人は、何もわかっていない。

「所謂その意を誠にすとは、自ら欺く毋きなり」

読み方「いわゆる その いを まことに すとは、みずから あざむく なきなり」

(意味)「その意を誠にす」とは、自分の本心をあざむかないということだ。

→ 「してはいけない」「しても良い」などの自分の判断に素直に従おう。

一人のときも、やるべきことをきちんとやる。

部下が見ていないと怠けるなどということでは、リーダーは務まらない。

   


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