ハマモト経営の指針集 『中庸』より

参考図書『中庸』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫
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「諸を己に施して願わざれば、また人に施すなかれ」

読み方「これを おのれに ほどこして ねがわざれば、また ひとに ほどこすなかれ」

(意味)他人から自分に施されていやだと思ったならば、同じことを他人に施してはならぬ。

→ 逆に言うと、して欲しいと思うことを他人にせよ。

この言葉は、企業経営を成功させる重要な鍵である。

自分の欲求を深く追及すれば、新商品が生まれる。
 


「子に求むる所、もって父に事うるは、未だ能くせざるなり」

読み方「こに もとむる ところ、もって ちちに つかうるは、いまだ よく せざるなり」

(意味)我が子に対してこうあってほしいと望むことを、我が父に行ってつかえることは、未だによくできない。
→ 子に対して、見本を示すことができているか。

自分の欲を子に押しつけて、父には親孝行できていない。

そんなことで人がついてくるはずがないではないか。


庸徳をこれ行い、庸言をこれ謹む

読み方「ようとくを これ おこない、ようげんを これ つつしむ」

(意味)日常為すべき徳を実行し、日常言うべきことをつつしんで言う。

→ 何を為すべきか、何を言うべきかが明確になっているか。

組織にはルールが必要。トップもルールに従わねばならない。

トップはまず自分の中に規範を作ること。

「言は行いを顧み、行いは言を顧みる」

読み方「ことは おこないを かえりみ、おこないは ことを かえりみる」

(意味)言うにあたっては行動がどうかを反省するので言い過ぎず、行動は普段言っていることをしているかと顧みるのできちんとできる。

→ 言葉と行動が一致するように努めよ。

絶えず自分の言行が一致しているかチェックする。

それができれば真のリーダーである。凡事徹底しよう。


「君子その位に素して行い、その外を願わず」

読み方「くんし その くらいに そして おこない、その ほかを ねがわず」

(意味)徳の高い者は現在の境遇がどうであろうとそれに合った行為をして、その他を念頭に置かない。

→ 今、ここ、自分に集中せよ。

与えられた環境の中でベストを尽くす。

そうすれば、環境の方が変わってくる。


「上位に在っては下を陵がず、下位に在っては上を援かず」

読み方「じょういに あっては しもを しのがず、かいに あっては かみを ひかず」

(意味)上位に在るときは下の者を辱めるようなことをせず、下位に在るときは上の者に出世を求めることはしない。

→ どのような地位にあっても、最善を尽くすのみ。

事業の失敗を部下のせいにしたり、上司に気に入られようとして取り入ったりしない。

環境のせいにせず、主体性を発揮する人こそ認められる。


「己を正しくして人に求めざれば則ち怨み無し」

読み方「おのれを ただしく して ひとに もとめ ざれば すなわち うらみ なし」

(意味)自分自身を正しく間違わないようにして他人に求めなければ人を怨むということは無い。

→ 責任転嫁したり、報いを求めたりしない。

そうすれば、いつも自由でいられる。

いっさい環境のせいにしないこと。


「小人は険を行ってもって幸を徼む」

読み方「しょうじんは けんを おこなって もって こうを もとむ」

(意味)小人は無理なことを行って、得られもしないようなものを得ようとねがう。

→ 実力をつける努力もせずにラッキーチャンスを狙ってばかり。

隣りの芝生は青く見えるばかり。

自分がコントロールできないものに頼っていては常に不安定である。



「射は君子に似たるあり、諸を正鵠に失いて、諸をその身に反求すと」

読み方「しゃは くんしに にたる あり、これを せいこくに うしないて、これをそのみに はんきゅうすと」

(意味)弓を射るのは徳の高い者に似ている。矢を放って的をはずした場合、その原因を自分に求めるのだ。

→ 的を外した理由を他の何かのせいにしている人は見苦しい。

失敗の原因を上司や部下や同僚やお客のせいにしている人も見苦しい。

その環境の中で、自分はどう動くべきだったかを反省する。



「君子の道は、辟えば遠きに行くに必ず邇き自りするが如し」

読み方「くんしの みちは、たとえばとおきに ゆくに かならず ちかきより するがごとし」

(意味)徳の高い者の道は、たとえば遠方へ行くのに、必ず近い所からスタートするのに似ている。

→ 他人を教育しようと思ったら、まず自分を教育する。

会社を治めようと思ったら、まず自分の行いを修め、家庭内を治める。

まず自分が出来ているかどうかが原点だ。



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