ハマモト経営の指針集 『中庸』より

参考図書『中庸』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫
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「天の命ずるをこれ性と謂う」

読み方「てんの めいずるを これ せいと いう」

(意味)天(造物主・神)が命じ、人間がもとから持っているものを生まれつきの性質(たち)という。

→ それぞれの人間は、それぞれ固有の性質を天から与えられている。

その性質には、得意な分野もあれば苦手な分野もある。

得意分野を伸ばすことが大切。配置は適材適所に。


「性に率うをこれ道と謂う」

読み方「せいに したがうを これ みちと いう」

(意味)人間がもとから持っている生まれつきの性質にしたがって生きることを、道という。

→ 道は、人それぞれである。自分の個性に気づくと、進むべき道が見えてくる。

トップはこの点をよく考えて、会社の進むべき道を決めなければならない。

まず「己を知る」ことからスタートする。


「道を修むるをこれ教えと謂う」

読み方「みちを おさむるを これ おしえと いう」

(意味)「道とは何か」を修得することを、教え(=学問)という。

→ 道を習得するには、頭での理解だけでは不可能だ。

さまざまな経験の中でこそ学ぶことができる。

頭も含めた体全体で学ぶのだ。 自分に合った道を一点突破し、全面展開する。


 

「君子その睹ざる所を戒慎し、その聞かざる所を恐懼す」

読み方「くんし その みざる ところを かいしんし、その きかざる ところを きょうくす」

(意味)君子はまだ見ないうちから戒め慎み、聞かないときに恐れ懼(おそ)れる。

→ 見えてから聞こえてから、道にはずれていることを悟っても遅い。

だから順調にいっているときも、道にはずれようとしていないか自らをチェックするのだ。

企業は、道にはずれたら全てを失う。


「隠れたるより見るるは莫く、微かなるより顕なるは莫し」

読み方「かくれたるより あらわるるは なく、かすかなるより あらわなるは なし」

(意味)暗いところでは外に見えるものは無いが、心の中の微かな兆しほどはっきりしているものはない。

→ 他の誰にも見られていなくても、自分の心だけは知っている。

誰も見ていないときほど、自己管理が重要となる。

独りきりの行動にこそコンセプトが現れ、自然と周囲に伝わっていくものだ。


「喜怒哀楽の未だ発せざる、これを中と謂う」

読み方「きどあいらくの いまだ はっせざる、これを ちゅうと いう」

(意味)(外部からの刺激による)喜怒哀楽がまだ発していない状態を、(一方に偏ることがないので)中という。

→ 完全にバランスが保たれている状態である。

バランスが崩れると、判断を誤る。

崩れたときは、判断をしないようにすること。


「発して皆節に中る、これを和と謂う」

読み方「はっして みな せつに あたる、これを かと いう」

(意味)喜怒哀楽を発して、しかもほどよく節度を保っているのを和という。

→ 喜怒哀楽の感情をコントロールできている状態である。

逆に感情に支配されると自分を見失う。

トップは決して自分を見失ってはならない。


「中は天下の大本なり。和は天下の達道なり」

読み方「ちゅうは てんかの たいほんなり。かは てんかの たつどうなり」

(意味)中は天下全てのものの根本である。和は天下全てのものの通じている道である。

→ 喜怒哀楽を発する前のようにバランスを保ち、発したら節度を保つ。

己との戦いとは、己の感情との戦いである。

常に冷静なもう一人の自分を頭の中におくこと。


「未だ上仁を好みて下義を好まざる者あらざるなり」

読み方「いまだ かみ じんを このみて しも ぎを このまざる もの あらざるなり」

(意味)未だに国王が思いやりいつくしむ政治を好んでいるのに、国民が正義の行いをしないということはない。

→ トップが社員をいつくしめば、社員は正しい道を行く。

人間は愛に包まれて、悪に走ることは無い。

社員の正しい行動は、顧客満足に結びつくのだ。


「中和を致して、天地位し、万物育す」

読み方「ちゅうかを いたして、てんち くらいし、ばんぶつ いくす」

(意味)中と和を極めれば、天地は天変地異も無く安んじ、万物は育まれる。

→ リーダーが己のバランスを常に保つことができれば、組織の環境が整い、人が成長する。

よって、まずは己を修めることである。

根本は己にある。己を修めれば、人は治められる。


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